動物病院でトリマーとして働く中で、日々のケアや診察補助の際に「保定(ほてい)」の重要性を感じることが多くなりました。今回は、国家資格「愛玩動物看護師」の勉強をしていく上で「保定」について、勉強したことをトリマー目線でまとめてみました。
保定とは?──動物医療の“入口”
保定とは、動物が検査や処置を受けるときに安全に動きを制限することをいいます。正しい保定ができないと、動物がストレスを感じるだけでなく、人にとっても危険が及びます。
✏️トリマー的ポイント
トリミング中に暴れてしまう子には、実は「保定」の考え方を応用すると、安全でスムーズな施術ができるようになります。
保定がうまくいかないとどうなる?
保定が不十分だと、動物が不安や恐怖を感じ、「逃げる」「暴れる」「噛む」といった反応を見せることがあります。これらは「ストレス反応」と呼ばれ、身体に負担をかけてしまいます。
たとえば…
- イヌ:歯を剥く、吠える、咬む
- ネコ:毛を逆立てる、引っかく、逃げる
こうした反応は「怖い記憶」として残り、動物病院やトリミングが嫌いになる原因にもなります。
保定の種類と道具
保定には大きく分けて以下の3種類があります。
種類 | 方法 |
---|---|
物理的保定 | タオルや保定具などを使う |
化学的保定 | 鎮静剤など薬を使って動きを制限 |
行動学的保定 | トレーニングで学習した行動を活用 |
よく使われる保定具とポイント
🦮 イヌの場合
- タオル:小型犬を包むと安心させやすい
- 口輪:咬傷リスクを下げる
- エリザベスカラー:傷を舐めるのを防ぐ
🐱 ネコの場合
- ネット:興奮しやすい子でも保定しやすい
- ネコ袋:行動制御+安全確保に◎
- マズルマスク:視覚刺激を遮断
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保定はトレーニングで差がつく!
子犬・子猫のころから社会化期に慣らしておくことが、将来のトリミングや診察に大きく影響します。
家でできる保定慣れトレーニング
- 足先やお腹、顔を触る練習
- 家族以外の人に抱っこしてもらう
- ごほうびをあげながらハーネス装着を練習
傷病動物やシニアへの配慮も大切
ケガや病気の子、シニアの子は保定による痛みやストレスが大きくなりがち。関節を無理に曲げたりせず、姿勢や道具を工夫して、優しい保定を心がける必要があります。
まとめ
保定は、トリミングや動物医療において欠かせない「安全と信頼」の技術です。保定に配慮することで、動物も人もストレスを減らせ、安心してケアを受けられる環境をつくることができます。
わたしも、日々のトリミングの中でこの学びを活かして、「保定が上手なトリマー」になれるように頑張ります🐾
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